12月朝礼講話 ー デルタ君からのメッセージ ー

 

 

日本の諸君、いやとくに種子島医療センターの諸君、のんびりしているかね。そう、コロナ・ゼロとかで久しぶりにワクワクしているだろうな。と言っても、ほぼみんな、マスクをしてるなぁ。不安感ありありだぜ。飲み会や食事会ではさすがにしてないよな。実にへんてこりんな社会になったもんだ。まぁ、その元凶は俺様にある訳なんだがな。そう、コロナウイルス・デルタ君様さ。

 

ウイルスが何言ってんだと思うかも知れないが、そもそもウイルスとは何だか知ってるかい? 人間の教科書的には「他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないこと、小器官がないこと、自己増殖することがないことから、生物かどうかについて議論がある」と書いてあるな。いやー、生物かどうか議論してるってさ。その生物かどうか分からん俺様との闘いに四苦八苦しているのだから人間とは面白いな。

 

世界中すべての生物に俺様一族は住み着いているんだぜ。何千何万もの種類となるウイルスは人間の数より遙かに多いんだ。中には人間から見ていい奴もいるが、多くは嫌われているがね。だって、俺たちは細胞に住み着いて仲間を増やすからね。それが困るって言うんだなぁ。でもさ、あんたらは「免疫」という武器を持ってるじゃん。これは俺様的には気にいらねぇー代物なんだよね。お陰で同じ人には1~2週間程度しか住めないのよ。その間に引っ越ししないと免疫細胞からやられちゃうからね。人から人への感染という訳だ。だからさ、マスクはしないで欲しいんだよね。人助けではなく、コロナ助けと思ってさ。

 

日本人は生真面目過ぎるというのが俺様コロナ世界でのもっぱらの評判なんだよな。とくに種子島のあんたらはコロナ世界では悪評なんだぜ。俺様たちの感染の邪魔をするからね。マスクはするし,手を良く洗うし、アルコール消毒もやり過ぎだぜ。だからさ、種子島への引っ越しは決死の覚悟がいるのよ。多くの仲間があっという間にやられたからね。種子島医療センターには気を付けろとコロナのホームページには赤字で書いてあるんだぜ。

 

ところでさ、今日本ではコロナが激減しているだろう。学者どもは訳が分からんといろんな説を言ってるな。だけどさ、世界を見てみろよ。感染拡大が続いているんだぜ。ワクチンしたって何のそのだぜ。あんたらも3回目とかをするらしいな。そこまで俺たちが嫌いなのかよ。俺たちのお陰で良かったこともあるんじゃ無いの。例えば、Zoom会議などは俺たちがしてやったようなもんだろう。人間は無駄なことを一杯しているからな。俺たちが合理的に改革してやったんだぜ。

 

まぁいいさ、しばらくはコロナ・ゼロを楽しんでくれ。今年もコロナで始まったが、コロナで終わりとなるかは・・・どうかな? 俺様たちは変身が得意だからね。本当はウィンウィンの関係を希望しているのよ。だけどさ、俺様の親戚たちの中には悪い奴らもいてさ。感染力を強めて高齢者を苦しめることを平気でする奴らもいるからね。ほら、オミクロン君がそうなんだなぁ。ウイルス世界も色々難しい問題があってさ、人間との共存に反対するグループもいるからね。

 

年末年始には第6波となるオミクロン君が日本で暴れないことを俺様も希望するよ。種子島は高齢者が多いからなぁ。気を緩めないことが肝要だぜ。じゃ、頑張ってな!

 

インタビュアー

病院長 髙尾 尊身