2月朝礼講話 —コロナ禍の種子島行政に期待—

 

高齢者はコロナ禍をどのように過ごすべきなのか。また、どのように指導すべきなのか。日本循環器学会・平田健一理事へのインタピュー記事によると、①感染への懸念から受診自体をためらう患者さんが増えている ②生活様式の変化も加わり病状が悪化してしまうケースが見受けられる ③在宅勤務が増え、運動不足や偏った食事などにより、肥満や高血圧の増加などが懸念されている ④高齡者の活動量が減少していることが報告されており、こうした変化が数年後に心不全患者数の増加として表れてくるのではないかと懸念される。これらはそのまま種子島にも当てはまることである。

 

今までは、種子島にはコロナも太刀打ちできないと思われた。が、これからの数ヵ月が本当のコロナとの戦いになるかも知れない。種子島の高齡化率は非常に高い。先般、種子島にある高齢者施設にアンケートを行ったところ、コロナ対策には極めて脆弱であることが判明した。

 

新型コロナ感染症についてはネットなどに膨大な情報があれている。だが、自己判断で通院や服薬をやめるということのないように、病院は勿論のこと、行政による広報と指導が極めて大切である。先般、種子島西之表市で市長・市議会議員選挙が行われ、行政の新体制がスタートした。行政には医療機関と連携し積極的かつ具体的な種子島としてのコロナ対策を切望している。

 

フランクリン・ルーズベルト(第32代米国大統領)の名演説で知られる「我々が唯一恐れるべきなのは、恐れそのものである」は、今のコロナ禍にも強く響く。新型コロナ感染症に対する正しい知識を備えることで、不要な恐れを抱かず対応できることの啓発が急務である。

 

世界の国々のリーダーたちが最優先事項として「コロナの収束」を目指しているように、西之表市民に選ばれた市長と市議会議員の方々がコロナ最前線での戦いに積極的に加わることを期待している。

 

 

病院長 髙尾 尊身