2021年度冬の医療安全研修報告

 

当センターでは、各部の責任者からなる医療安全管理委員会が中心となり、患者さんにも職員にも安全安心な環境の下で良質な医療サービスの提供を行うことを使命とし、医療安全に取り組んでいます。年明けの1月17日から実施している「指さし確認ポスター総選挙」もその一環です。

 

研修は必要に応じて行うスポット研修の他、全職員を対象とした全体研修会を年2回開催しています。コロナ禍に対応し、会議室での研修は人数制限をしていますが、昨年度より導入したIT研修システムにより全職員が自分の端末を利用し、自分の時間に合わせた履修が可能になりました。

 

2021年12月2日(木)に実施した全体研修会では、冬に起きやすくコロナ禍において最も増えた「転倒転落」事故を取り上げ、当センターでも月に10件弱の「転倒転落」の報告があることから、「病院における転倒転落」について髙尾病院長が講師を務めました。

 

転倒転落の当センターの対応

 

転倒転落の予防については、「転倒転落防止委員会」を結成し、医療スタッフがそれぞれの専門性を活かして患者のリスクを分析評価。患者さんごとのケアプランを多職種で構成されるチームで検討するほか、院内研修を行ったり、オリジナルのポスターを作成したりすることで、患者様や職員に周知させ理解してもらうなど、入院中の転倒転落を防ぐ活動を行っています。

 

研修では、転落転倒に関する全国および当センターのデータや事例を検証し、予防対策や転倒転落後の対応について学びました。当センターでは転倒転落した患者さんについては頭部打撲を疑い、あきらかな異常が認められなくても頭部CT検査を推奨しており、骨折された場合には、90歳の方でも積極的に手術を行い、早期のリハビリテーションで懸命に支えることで自宅に戻れるまで回復されています。

 

今回の研修では、コロナ禍のステイホームにより転倒の危険性が高まっていることにも触れ、密になりにくい種子島の環境を考慮し、患者さんやご家族には、家にこもらずに散歩に出ることを勧めるようにとのアドバイスがありました。

 

髙尾病院長は、最後に「しあわせの医療におけるポストコロナの考え方」を示しました。

 

・しあわせを求め、望む人々が暮らす島

・医療で「しあわせに」することはできるか

・そして、しあわせの医療へ貢献するためには?

・医療者は強く、さらに強く生きなければならない

 

種子島医療センターの職員は、これらを心に刻み、しあわせの医療の実現に努力してまいります。